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香りの旅

香りの旅 シチリア ネロリの花の摘み取りと柑橘精油の加工見学(2014年4月8日~14日)

4月7日(月)


とうとう待ち焦がれたシチリアにやって来ました。
東京を12時半に出発、ミュンヘン乗り換えでカターニア空港に到着したのは夜の10時。出迎えのバスでカターニア市内のホテルへ。




4月8日(火)


オプショナルツァ-で神殿の街アグリジェントに来ました。


神殿の街アグリジェントカターニアからバスで延々3時間15分、シチリア島を半周してやっと着きました。オリーブとアーモンドと柑橘の畑以外はほとんど農地がなく、人家も過疎です。こんな地にギリシャ人はなんと多くの神殿を建てたことでしょう!
紀元前6世紀当時繁栄していた隣国カルタゴとの交易の中心として古代都市アクラガスが築かれ、紀元210年ローマに滅ぼされました。その間にさまざまな神々を奉り、行事を執り行う神殿を多数建てたのです。地中海文明の歴史と広がりを感じずにはいられません。途中巨大なフェンネルとリュウゼツラン(アガベ)が車窓から見えました。




4月9日(水)


オーガニックワイナリーカターニアを発してメッシーナのオーガニックワイナリーへ。
ここで栽培しているのはシチリア特有のネロ・ダブォラ品種とメッシーナにしかないノッチェ-ラ品種。日本語の通訳付きで、ワイン製造工場を見学しました。
ここではすべて有機ワイン認定のD・O・Cをとっています。栽培に農薬を使わず、天然物から抽出した酸化防止剤をリットルあたり30mgに抑えています(DOCの規程は100mg以下)。
見学の後は、ワインを試飲しながらランチをいただきました。
ワイナリーランチは簡単な料理だと思っていたところ、前菜から始まって五皿の本格的コース。結局4時間かかり、いかにイタリア人が食を大切にするか、思い知りました。


17時にミラッツォのホテルへ。部屋のテラスから、地中海が望める素晴らしいローケーションに感激!


18:00にドイツグループと待ち合わせて2台のバスで、シチリア栽培プロジェクトバルセロナの事務所へ。従業員600人を抱える巨大な共同体で、雇用を守るために機械を導入しないとか!
夕食後、フォルクローレの夕べが催され、民族衣装を着た大人と子供たちが歌とダンスを披露してくれましたが、時差で眠く、日本グーループは途中で退席してホテルへ戻りました。




4月10日(木)


オレンジ工場午前中バスで西へ。バイオダイナミック農法を実践している共同体が委託している柑橘の加工工場へ。共同体は小規模な上、デメター認証は管理が厳しく経費がかかって専用の加工機械を設置できないため、加工処理は委託せざるをえません。ここでデメター品質のジュースと精油を作っています。
(写真:オレンジ工場)
 
 
この後、共同体の加盟農場へ
ここではレモン、オレンジ、オリーブを栽培しています。


オレンジ果樹園を歩きながら、マリア講師からバイオダイナミック農法について説明を受けました。
農薬を使わないことはもちろん、農地の20%は自然のままに残さなければならず、雑草、昆虫,小動物すべてのバランスを保つこと……など。


ピザ釜お昼は農場でご馳走になりました。
前菜から始まり、焼きたてのピザが次々にでてきてびっくり!!
普通の農家に立派なピザの竃があり、生地を練り、トッピングを載せてどんどん焼きます。自家製のレモンチェッロのおいしかったこと!
最後はシチリア民謡に送られて農家を後に。やはりランチに3時間以上かかりました。その後、共同体事務所に移動。ホールでマリア講師の誕生日のお祝いをしました。急遽、‘香りの旅合唱団’を結成して、日本の歌をいくつか歌いました。




4月11日(金)


古代遺跡で世界的に有名なシラクーサへ。


ギリシャ劇場、古代ローマの円形闘技場、天国の石切場などを日本語が上手なガイドさんが案内してくれました。レストランで昼食後、海岸まで歩いてアレトゥ-ザの泉へ。地中海と隣り合わせに湧いている淡水の泉で、ギリシャ神話で彩られています。そこに生えるパピルスは予想に反し丈の高い葦のような草です。


レモン農場午後レモン農場へ。
ここでは530ヘクタールに主にレモンを、デメター栽培しています。レモンは一年中収穫できる唯一の柑橘です。
冬レモンは黄色く、春レモンは白っぽく、夏レモンは緑色です。冬レモンは夜間低温になるため木がストレスを受けて黄色になり、逆に夏レモンはクロロフィルが合成され、アントシアンが根に戻ってしまうため緑がかっていますが、ライムとはまったく別の果実です。


レモンの木の下でセミナー冬暖かく、夏涼しいレモンの丸い樹冠の下で、その効能について共同体リーダーから講義を受けました。レモンは万能薬で消毒、ビタミン補給、洗剤、歯磨きなどに使えるとのことです。10日間、水にレモンを絞って飲むレモン・アクアも胃の脂をとるのに効果的だとか!彼はいつもポケットにレモンを1個携帯しているそうです。
樹冠の下だけ丸く雑草を刈り残し、オキザリス(カタバミ)が土壌を酸性にするよう配慮してあります。まるでフェアリーサークル(妖精の環)のよう!レモンはビターオレンジの幹に接ぎ木します。これはビターオレンジが湿気と有害虫(ネマトーデ他)に抵抗力が強いためです。


その後1000年以上経つオリーブの古木の下でマリア講師が嗅覚トレーニングをしました。9種類の柑橘精油をムイエットにつけて回し、参加者を4グループに分けて香り当てをしました。どのグループも正解が4~5種類で、いかに嗅ぎ分けが難しいかわかります。全員が正解したのはネロリ、プチグレン、レモンで、逆に難しかったのはベルガモットでした。嗅覚は比較することによってだけ鍛えることができるそうです。


夕方のティータイムで、ピスタチオ入りのプチシューとアガベシロップ入りのアーモンドミルクをいただきました。優しい甘みで飲みやすかったです。




4月12日(土)


タオルミーナのホテルを出発、共同体リーダー夫妻の息子さんが経営する農場へ。主にオレンジの栽培をしています。
ブラッドオレンジは普通のオレンジから突然変異で生まれたとか!エトナ山の火山灰土壌と昼夜の寒暖の差が大きいことにより生まれたのではないかと説明がありました。
オレンジの種類ブラッドオレンジには3種類あり、粒の大きいタロッコ、果肉が真黒なモロ、小粒のサングリネッレです。枝をねじりながら摘み、樹の下でむしゃぶりました。ジューシーでおいしいこと!
 
 
ネロリの摘み取り 
 
 
 
 
 
もちろんビターオレンジの花、ネロリ(イタリア語でZagara)の摘みとりもしました。花の芯にはもう小さな実ができています。作業員の方は摘みとらないで枝や花を揺すっていました。この辺の栽培農家ではネロリ精油だけを使った贅沢なZagara香水を作って自家用に使っているとか!


農道にボレッジが咲いています。また1本の木を指して共同体リーダーが「これがイナゴマメの木だよ」と。洗礼者ヨハネがヨルダン川のほとりで飢えをしのいだという聖書植物で、現在はココアの代用品キャロブとして用いられています。地中海沿岸が原産の万能植物アーティーチョークも自家用に育てているそうです。


木陰セミナーその後、木陰でセミナー。今回は参加者の希望でアロマクッキングについてです。残念ながら、実習の時間はありませんでしたが、マリア講師の専門分野なので素敵な講義でした。
いつかコルシカ島で香りの旅ができれば、実習をしましょうとの話でした。原種のレモンが回されたり、ベルガモットの嗅ぎタバコ入れベルガモットを乾燥した嗅ぎタバコ入れ(写真:右)を見せてもらったり。アールグレイ以外に嗅ぎタバコもベルガモットで香りづけしたとか!


ネロリを小さなデモ・蒸留器に入れて水蒸気蒸留している間にランチタイム。ヤギのチーズ、フェンネルとブラットオレンジのサラダ、自家製蜂蜜、凝乳、オリーブ、ワインすべてぜいたくなデメター品質です。


食後は室内で自然香水づくり。テーマを決め、トップ、ミドル、ベースの精油を何種類か入れて、ロールオンをつくりました。そのうち二人がテーマ「シチリアのマンマ」と「シチリアのバカンス」のブレンドの構成を発表。自分の手首に塗って出来栄えを講評してもらいました。時間がなくて、ミツバチの巣箱やデメター特有のプレパラートを見せられなくて共同体リーダーは残念がっていました。




4月13日(日)


青の洞窟いよいよ旅の最終日です。
朝から湾内はどんよりと曇って、黒い雲がたちこめています。雨が降ったらイゾラベラの小舟ツァーは中止とのことでしたが、運よく船が出ることになりました。波もあまり高くなく、青の洞窟のなかにも入れました。


 プリマヴェーラ・ライフ社と共催の香りの旅はどれも素晴らしく、それぞれ個性的ですが、今回のシチリア研修は世界遺産などの観光名所や、ワイナリーツアー、農家での特別なおもてなしなど、内容が濃く盛り沢山の旅でした。いつかまた催行したいものです。シチリア栽培プロジェクトの献身的なサポートと笑顔が忘れられません。


この旅が優れていると私が思うところは、名所旧跡を見るだけでなく、香りが常に絡みついていること、農家の人との交流が必ずあって、とても人間臭く、その人々の話がじかに聞け、栽培の苦労、土地の暮らしや植物との関わりが味わえることです。


さよならシチリア!さよならデメター農法!さよなら鈴なりの太陽に輝く柑橘類!


集合写真


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